DIARY

エスカリエドクリスタル 鯉の花瓶

 

 

パリにて1800年頃から1923年まで続いたエスカリエドクリスタルはいわば超高級工芸店でした。その最後のオーナーとなったパニエ兄弟は最高のブロンズ、家具、画家など、多方面の職人や芸術家を集め、その当時もっともモダンだったジャポニズムなどオリエンタルなスタイルを作品に取りいれます。またルソー、ガレ、バカラなど名だたる高級ブランドに特注で作品を作らせ、その一部はさらにアトリエで手を加え店のサインを入れオリジナルの商品として紹介していきいました。

 

資料を読んでみるとエスカリエドクリスタルのガラス製品の多くは現在ルーブル美術館、オルセー美術館など世界中の美術館に所蔵されているとも。そんなものがベルカプリにもあるんだなーと思うと、私が今までここで見てきたもの、手に触れてきたものがどれほどものだったのか「ふーん、そうなんだー。」と半ばふわふわ白昼夢状態。

 

今回A-Selectにはそんなエスカリエドクリスタルの鯉の花器を掲載します。裏面を見てみるとEscalier de Cristal Parisと彫刻されているのが分ります。

 

 

鯉の滝登り。エスカリエドクリスタルのものにはブロンズなど金属とガラスを組み合わせた作品が多くありますが、その金属装飾を施さずクリアの大きなガラスの塊ということに美しさやインパクトを感じます。なにより「どこにでも置けるよね。」とボスの一言。確かに思い出してみると「何かここに緑のものを。」と思った時、「あの魚を置こうか。」となり、お水をたっぷり入れて葉っぱをさし、ながきに渡りお店のコレクションとしてディスプレイに登場していた花器です。

 

 

 

 

今回のA-Select、 エスカリエドクリスタルの鯉の花器はこちらから。 どうぞご覧ください。

 

ここからは少し余談です。この花器を紹介するにあたりネットなどからもエスカリエドクリスタルについて情報をちょこちょこつまみ食い。どなたかのブログには『その徹底した品ぞろえにガレをして”恒久的展覧会”と言わしめるほどのものだった』と書いてありました。その自由で、大胆で、どこにもない感じ、いったいどんなお店だったのだろうともやもや想像。ただ私が初めてベルカプリに入った時に感じた印象に似ている気もします。「なんだここは?私がはいってもいいの?」地下なのに明るい光が燦々と差し込み、静かな空気が流れ、見たこともない美しいものが並ぶ空間はまさに当時の私にとっては異世界。

エスカリエドクリスタルは「クリスタルの階段」という意味だそうです。ベルカプリが青山にあった頃、地下のアンティークフロアから一階のコスチュームジュエリーフロアにつながる階段がガラスの階段だったのを思い出しいました。

 

 

下の写真は10年前のブログに載せたお店の写真。まだ開店時間前、電気をつけていない写真ですが、ショーケースの下段にエスカリエドクリスタルの対の赤いガラスの花器が見えます。さっきタブレットで写真を拡大してみるとその横にもブロンズの金属装飾が施されたエスカリエドクリスタルのガラス花器がかすかに見えました。上にはドームにバカラ、下には和骨董、手前にはROBJのジャポニズム。たった10年前だけど今のように写真をカシャカシャとる習慣がなかったので「その隣、どんな風にしてたっけ?」と思っても思い出せないのがもどかしいです。

 

 

 

 

158-0095
東京都世田谷区瀬田1-12-32
電話:03-3709-2341
e-mail:cjs@bellecapri.com
二子玉川駅より徒歩5分。

12:00-19::00
日・月・木・祝日 休み

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Paris 1827

上のイラストは「エスカリエドクリスタル新店舗」とのコメントありですが真偽不明。