DIARY

A-select Val Saint Lambertのリングトレイと蓋物

今週は20度を超える日が多く、初夏のような陽気が続いています。坂道を登ってきたお客様の最初の言葉が「暑い~。」なんていう日もありました。

今日のA-selectは19世紀末アールヌーボーの時代に作られたVal Saint Lambert(ヴァルサンランベール)のリングトレイと蓋物をセットでご紹介します。クリスタルガラスの美しい透明感、目の覚めるような鮮やかなブルーの被せガラスがちょっと早くやってきた初夏のような陽気にマッチしている気がするので選びました。たくさん撮った写真とともに楽しんでご覧ください。

被せガラスにカットを施したこの作品ですが、蓋物の内側やリングを収める柱の部分のガラスを見るとヴァルサンランベールがベルギーのバカラと言われるのも納得。古いものとは思えないほど美しくクリアなクリスタルガラスが使われています。

リングトレイは実用性があってすぐに日常に溶け込みそう。トレイの直径は10.5㎝、高さは7.5センチほど。

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ここからはすごく余談なのでお時間がある方へ。モチーフに選ばれている蘭の花は花弁が袋状のパフィオペディラムと呼ばれる東南アジアが原産の品種。そんな蘭がヌーボーの時代のモチーフに?なんて少し不思議に思いますが19世紀すでにヨーロッパでは蘭の一大ブームが起こっています。珍しい植物をいち早く手に入れたい富裕層の人たちに雇われ東南アジアや中南米まで渡ったオーキッドハンターはヴァルサンランベールの国ベルギーにももちろんいました。

ちなみにパフィオペディラムは19世紀中ごろ(日本での幕末期)にはイギリスで人工交配が盛んにおこなわれ、イギリスのボタニカルイラストレーター J・N・フィッチの『オーキッドアルバム』(1882-97年にかけて全11巻刊行された)の中にも登場します。すごーく今回の品物の話とは道がそれましたが、蘭の世界奥深し!ということが分かり、私はブログを書きながら楽しんでしまいました。それでは皆様良い週末を。