DIARY

A-select André Balletの香水瓶

今週のA-selectはAndré Balletの香水瓶です。アールデコのシンプルなエナメル絵付けの柄。丸い球体のガラスの蓋は全体とのバランスが良く、かわいらしい形にも魅力を感じコレクションしたもの。大量に作られた機械生産のガラスとは違う表情のある透明ガラスの揺らぎも美しいです。

サインに記されたAndré Ballet(1889-1959)はパリ15区生まれのフランス人芸術家。政治学と法律を学んだあと弁護士になりますが同時にセーヴル陶芸美術館所属の芸術家としても活動します。戦争で負傷し帰還後は芸術活動に専念。アンデパンダン展に出品するなど絵を描き続けると同時に、生涯を通じ装飾芸術の製作にも力を注ぎます。1914年からはルネ・ラリックのガラス製品への装飾、1920年代にはルイヴィトン向けにエナメルを施したボトルを製作。その他パリのガリエラ美術館ではガラス、陶タイル、カトラリー、製本作品が展示されるなど幅広い分野で活躍。その経歴を見るだけでも面白く、数少ない資料を見ながら彼が生み出したものを想像しました。


参照:« Quelques flacons à décor émaillé. André Ballet. Salon des Artistes Décorateurs. 1922 », in Bulletin de la vie artistique, 15 mai 1922. — 2e de couverture. —

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