手のひらに収まる金色の小箱。その見た目の大きさとは釣り合わないずっしりとした重みを感じると、美しい箱の中にどれほどの機械が詰まっているのだろうと思わずにはいられません。さてその正体は。。。?
17世紀後半、スイス人の時計技師ジャケ・ドローにより開発されたオートマタ、シンギングバードです。
ゼンマイを巻き、箱の再度のつまみを押すと小鳥が蓋を開けて飛び出します。箱の上で羽ばたきまるで本物の小鳥がいるかのように囀ります。しかしその歌声は作られたもの。機械の中に仕込まれたヤギ革製のふいごからホイッスルに空気を送りこむことで再現されます。そして自然で複雑な囀りはピストンでトロンボーンのように音に高低差をつけることで作り出されます。細かな羽の羽ばたき、口ばしの動きも機械仕掛け。歯車やぜんまいなど時計製作の技術を応用し完成されたものなのです。
金属製の鳥の身体には青や赤の鳥の羽が残っているのが分かります。
ひととおり鳴き終わるとパッと箱の中に自ら入っていなくなってしまうその瞬間の驚きも感動の一部です。豪華な宝飾品として王侯貴族や富裕層の間で人気を博し、18世紀には清の皇帝溥儀をも魅了したシンギングバード。オンラインショップA-select よりご覧ください。
下の動画は是非音声をオンでご覧ください。